パムッカレからカッパドキアの間は長距離となるので、コンヤという街に立ち寄る。コンヤは、パムッカレからは410kmバスで約5時間30分、カッパドキアからは220kmバスで約3時間の場所に位置する。
そこはメブラーナ教というイスラム教の一派とされる馴染みのない思想の聖地であり、イスタンブールとは違って宗教色の濃い街。
1200年頃に実際に生きていた思想家メブラーナ様(現地でメブラーナ様と呼ばれていたので私の敬称を付けて書く)が教えた思想である。街のいたるところでメブラーナ教を示す、回転舞踊の飾りを見ることができる。
今回は、そんなメブラーナ様の街、コンヤ観光を写真とともに振り返る。
インジェミナーレ神学校
細長い塔という意味のインジェミナーレ。名前の由来となっている尖塔は、1901年の雷で折れてしまう前までは現在の姿の3倍の高さがあったそう。
1267年にイスラム神学校として建てられ、現在はイスラム関係の石彫・木彫が展示されている博物館となっている。正面の正門には、幾何学文様がびっしりと彫られているのがわかる。
中には入っていないので、今回はこの外観だけ拝む。
メブラーナ博物館
インジャミナーレ神学校から約2kmの距離にあるメブラーナ博物館は、メブラーナ様の死後に弟子が建てたもので、モスクも併設されている。
メブラーナ様とその関係者のお墓や当時の生活がわかる服飾品などが展示されている。コンヤの住人だけでなく地方の人たちもコンヤに遊びに来るたびに何度も訪れる場所で、お墓まいりの感覚だそう。
トルコブルーの太めの尖塔が目印。あの尖塔の下にメブラーナ様のお墓がある。
細い方の尖塔にもブルーが用いられている。外観を写す良い写真がなかった。
お墓への入り口。屋根が比較的新しそうな木製。めっちゃ珍しい、というか木製初めて見た。天井にはトルコランプも。
入り口でビニール袋を2枚渡され、それを靴の上から装着して中に入る。ここは聖域で且つモスクもあるので、もちろん女性は頭にスカーフを巻く必要がある。
棺がたくさん。棺の上に置かれたターバンの色で属性を把握できる。白は確か、周辺で力を持っていた人。
奥にはとってもゴージャスな四柱を持つエリア。もちろんここがメブラーナ様のお墓が置かれた場所。
ひときわ大きいメブラーナ様のお墓。ターバンの色は緑。緑は、メブラーナ様とその子供のお墓に使われている。うる覚え。四柱だけでなく、天井や壁も色とりどりに彩られている。
ターバンの色は白と緑以外にもう一つあるんだそうだが、撮影した写真の中には見つけられなかった。その色は親族のお墓だそう。
もちろんメブラーナ様のお墓の前は人だかりが。手前の柱と比べると際立つメブラーナ様の柱。
お墓ゾーンを抜けると、展示品エリア。増築されたのか、お墓ゾーンと展示品エリアの境目には変にアーチがズレている箇所が。
なんかコンクリートっぽい柱。
メブラーナ様が実際に着ていたお召し物。服と、奥には帽子も見える。
コーラン。
持ち運び用なのか、ポケットコーランも。
展示品エリアの中央に飾られる何か。
ちなみに雑学だが、ここの絨毯は最近まで手作りだったが、現在はカーペットになったらしい。
展示品エリアの隣に礼拝エリアがあるが、そこは撮影禁止なので注意。
入り口とは違う場所にある出口から、建物を出る。
今更ながら、入り口前にある清めの洗い場たちをパシャり。礼拝の前に体の一部を水で洗い流して清めるためのもの。
写真左に写る建物が先ほどのメブラーナ様のお墓があった建物、次は写真右側に写る建物に入る。
この建物はキッチンで、当時の様子を人形で再現していた。
当時の調理器具。
食事の様子?男性ばかりで女性の人形はなかったので、当時は女性禁止の場所だったのかもしれない。
キッチンを出て、隣の建物の見学に移る。横長の建物で、小部屋がいくつも並んでいる。
こっちにも人形がいた。当時の部屋を再現。結構狭い。
小部屋の扉は閉まっているところも。背が低い扉なので屈みながら入る。
各部屋に様々な種類のものが展示されていた。ケースに自分が反射しているので写真はこれくらいにしておく。
メブラーナ様の教え
メブラーナ教は、宗教関係なくウェルカムで、平和で愛のある教え。これは確かにイスラム教と同じな気がするので、イスラム教からの一派というのを改めて感じる。
特徴的なのは、この世のものは全て回っているという考えから、メブラーナ様は回転しながら礼拝していたそう。
例えば、人間は土から生まれて(神様に作られて)土に還るという回り、地球の自転、公転など。(猿進化論は信じられていない。)
また雑学だが、回転しながら礼拝していても目は回らなかったそう。境地に入っているから3分も40分も同じ感覚だとかなんとか。ちょっとよくわからない。
冒頭に記載した回転舞踊の飾り。本当に街のいたるところで目にできる。お土産屋さんでも、これの小さいものを売っている。
右手を空に向けて、左手を地面に向けて、ぐるぐる回っている。白い服は死んだときに着るもの、茶色の帽子の意味は忘れた。
メブラーナ様はこのような形で礼拝していたと思われる。知らずにその姿を目の当たりにすれば、なかなか忘れられない光景として残りそう。ちなみに、モスク内の礼拝者にくるくると回転しながら礼拝している人はいなかった。
感想
紀元前から長きに渡って歴史が続くトルコという場所で、コンヤは1200年以降の街となるので、比較的新しい街。今まで巡ってきた遺跡とは異なり、現代の人が今も実際に住んでいる場所なので新鮮な気持ちだった。
たくさんの近代建築に車に、たくさんのトルコ人。現在のトルコという場所を知れる場所でもあった。
最後に、コンヤは外国からの観光客があまり来ない場所で特にアジア人は物珍しいらしく、博物館では声をかけられることも多々あるんだそう。私も可愛い娘さんを連れたお父さんに話しかけられたが英語も話せなかったので申し訳なかった。。。